ジョブ・クラフティングで元気に仕事をしよう

ヤンネ・カルティアイネン &ヤリ・ハカネン、フィンランド産業衛生研究所(フィンランド) 私は仕事のどの部分に対してやる気や魅力を感じ、自分が幸福になるためにとても大事だと思っているのだろう? こうした部分をもっと仕事に取り入れるにはどうしたらよいのだろう? キャリアが長く専門的な知識も豊富なある看護師は、職場でストレスを感じ、少し退屈し、「マンネリ化」し始めてから、このようなことを自問自答するようになりました。その答えがきっかけとなり、彼女は後輩の指導を始め、仕事に対する能力や同僚とのつながりをより強く感じられるようになるとともに、日々のルーティンに再び意味を見出すことができるようになったのです。仕事のやり方を少し変えただけで彼女の仕事上の幸福感は向上し、しかも病院の運営と効率に支障はありませんでした。むしろ、彼女の同僚たちは、このメンターシップを通じてとてもよくサポートされていると感じ、職場全体の雰囲気も良くなりました。

象と象使いをつなげる:モチベーションの役割

アントニオ・ラビサ・パルメイラ ルゾフォナ大学CIDEFES(ポルトガル); ISBNPAエグゼクティブディレクター 健康関連行動を長期にわたり持続させるモチベーションにはさまざまな要因が影響しています。行動科学者は、これらの要因をどのように組み合わせるべきかを解明しようとしています。たとえば、私はほぼ毎日ジョギングをし、30年以上続けています。私はこの習慣をどのように維持し、そしてなぜ続けることができたのでしょうか?ダニエル・カーネマンは二重システムの影響を指摘するでしょう。つまり、本能と感情を扱うシステム1と、熟慮的で意識的なシステム2があり、運動は健康に良いことを私は知っているのでシステム2が私に走れと命じていると考えられます。一方、エドワード・デシなら走ることが内発的に動機づけられていて、走ることは私の価値観やアイデンティティと合致するだけでなく、楽しいからだというでしょう。

健康行動を長期にわたって維持するには

ドミニカ・クワスニツカ SWPS大学(ポーランド)、メルボルン大学(オーストラリア) 健康増進プログラムの最終的な目標は、変化を長期的に持続させることであり、医療専門家はその実現のため、患者が健康状態を改善し、新しい行動を維持するよう手助けをします。しかし健康行動を変えるのは困難であり、それを長期的に維持するのはもっと困難なことです。健康心理学における一つの大きな疑問は、なぜ行動の維持がそれほど難しいのかということです。 この疑問に答えるため、私たちの研究チームは、禁煙やより活動的になるなど、健康にプラスになる行動に変えさせ、その後もこれを維持するメカニズムを説明する理論にどのようなものがあるかを調べました。その結果、行動変容とその維持プロセスを説明する理論は100個ありました。健康増進に従事する人々に良い知らせとして、私たちはこの100個の理論を長期的な行動変容のために取り組むべき5つの重要なテーマに要約することができました。