沈まないために:あらゆるレベルで見直す溺水予防
キラ・ハミルトン、グリフィス大学 応用心理学部(豪) エイミー・ペデン、ニューサウスウェールズ大学 公衆衛生学部(豪) 溺水は予防可能であるにもかかわらず、いまだに世界中で主要な死因や重度の傷害の原因となっています。その深刻さは社会に十分に認識されているとは言えません。よくある誤解として、「溺水は必ずしも死に至るわけではない」というものがあります。しかしながら実際、溺水の定義は見直されており、溺水とは「結果」ではなく「過程」であることが明確にされています。つまり、溺水という過程の結果として、死亡(致死的溺水)に至ることもあれば、脳性まひやその他の低酸素による神経障害などの後遺症を伴う、あるいは伴わない形で生存する(非致死的溺水)こともあるのです。「ドライ・ドロウニング(乾性溺水)」「セカンダリー・ドロウニング(二次性溺水)」「ニア・ドロウニング(準溺水)」といった用語は、メディアで頻繁に使われていますが、これらはすでに時代遅れで医学的にも正確であるとはいえません。したがって、これらの用語の使用を見直す時に来ています。
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