沈まないために:あらゆるレベルで見直す溺水予防

キラ・ハミルトン、グリフィス大学 応用心理学部(豪) エイミー・ペデン、ニューサウスウェールズ大学 公衆衛生学部(豪) 溺水は予防可能であるにもかかわらず、いまだに世界中で主要な死因や重度の傷害の原因となっています。その深刻さは社会に十分に認識されているとは言えません。よくある誤解として、「溺水は必ずしも死に至るわけではない」というものがあります。しかしながら実際、溺水の定義は見直されており、溺水とは「結果」ではなく「過程」であることが明確にされています。つまり、溺水という過程の結果として、死亡(致死的溺水)に至ることもあれば、脳性まひやその他の低酸素による神経障害などの後遺症を伴う、あるいは伴わない形で生存する(非致死的溺水)こともあるのです。「ドライ・ドロウニング(乾性溺水)」「セカンダリー・ドロウニング(二次性溺水)」「ニア・ドロウニング(準溺水)」といった用語は、メディアで頻繁に使われていますが、これらはすでに時代遅れで医学的にも正確であるとはいえません。したがって、これらの用語の使用を見直す時に来ています。

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アクセプタンス・コミットメント・セラピー: COVID-19後遺症を抱える人への有望なアプローチとして

エイミー・バラデル レスター大学病院NHSトラスト COVID-19後遺症とは何か知っていますか? 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した人々の中には、急性期後にも何らかのつらい症状に4週間以上も悩まされている人がいます。身体的症状(息苦しさ、疲労など)と精神的症状(不安、認知障害など)の両方を経験することが多いようです。このような症状は「COVID-19後遺症」と呼ばれています。 私の経験では… COVID-19後遺症のクリニックで働いた経験から、患者は新たな症状(および症状の結果)をなかなか受け入れることができず、それが自己管理の妨げになっていることがわかりました。彼らは 「COVID-19後遺症」になる前にできていたことや、診断を受けてから自分の人生がいかに悪い方向に変化したかということばかりを口にします。これは、経験の回避(感情、思考、記憶、身体感覚など、望ましくない内的経験を抑制しようとする試みや願望)の表れであり、症状にばかり注意が向いていて症状の役割(自分の行動を変えるための身体指標)を意識しない傾向があることを意味します。これらの経験を受け入れず、今この瞬間を生きることから遠ざかっていると言えます。 さらに、COVID-19で入院した人の25%以上が、退院後6ヵ月経っても抑うつ症状に苦しんでいると報告されています。うつ病は活動の回避(ある活動をしないことを選択すること)と関連していることから、後遺症に悩む人々は自分が大切にしたい行動ができていないと考えられます。

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健康改善を目的とした研究と実践の連携構築に向けて

 2022-10-06公衆衛生、利害関係者  キャサリン・ブラウン、ハートフォードシャー大学 (イギリス) このブログは、私が大学と地方自治体の公衆衛生部門の両方に籍を置き、研究、介入プログラム開発、評価スキルの活動を実践した経験を一部用いています。 あなたがヘルスサービスの委託、管理、設計、提供のいずれに関わっているとしても、サービスが目標を達成するためにはユーザーに変えてもらいたい動作が少なくとも 1 つはあると思います。これは、サービスの対象となる疾患や、伝染性 (インフルエンザ、Covid-19、結核、性感染症など) または非伝染性 (心臓病、COPD、2 型糖尿病、肥満など) に関係なく、人々の行動が病気の全体的な負担感に影響するからです。しかし、病気になるのは本人のせいで、自分の健康と幸福を守る責任は個人にあると言いたいのではありません。まったくの逆です!私たちの健康は、遺伝的、生物学的、社会的および環境的要因からも影響を受けます。健康の改善と維持のためにはこれらのファクターを考慮することも重要です。 とは言え、疾病予防には私たちの行動が重要なカギを握っていることはCovid-19パンデミック下の世界中の反応を見ても明らかです。社会的/物理的に距離を保つ、定期的な手洗い、手指の消毒、手で顔を触らない、マスクの着用、感染の症状が疑われたら自主隔離、特定の旅行先から戻ったら検疫などが必須とされました。これらのことを十分に多くの人々が実践すると、ウイルスの拡散が最小限に抑えられ、健康状態の改善が見込まれます。

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