1回の診療を有意義に: 医療現場における運動の推進

アマンダ・デイリー ラフバラー大学(イギリス) イギリスとアイルランドでは、Making Every Contact Count(1回の診療を有意義に)というイニシアチブの下、医療従事者と患者の間で毎日何千回も行われる医療相談を健康的な行動変容を促す場として活用する試みを実施しています。 具体的には、Making Every Contact Countでは、医療従事者が日常診療の機会を使って患者に簡単な健康行動変容の介入を容易に実施できるような仕掛けを作っています。Making Every Contact Countのようなアプローチの成功のカギを握るのは、医療従事者が日々の診療の中でこうした話題を積極的に取り上げる意欲があるかどうかです。Making Every Contact Countはすべての人を対象にしており、特定の医療従事者、医療サービス、患者に限定されるものではありません。 したがって、Making Every Contact Countはすべての患者が診療の中でサポートを受けられるようなインクルーシブ・アプローチをとっており、健康格差の縮小につながる可能性があります。

自分を変えるのは、自分で! 短期の思考介入

主観的な幸福感は、私たちが生まれ持ったもの、生活の中で出会う状況、そして(幸運なことに!)意図的な行動によって決まります。これまでに多くの研究者が私たちの心理的機能を効果的に高める方法を検討してきました。中でも短期の思考介入(または肯定的評価)は心理的機能をポジティブに変容させてくれるツールの1つです。 短い文章のタスク(感謝のリストや手紙など)は心理的な幸福感を高めることが研究で示されています。87か国の大規模なマルチラボ研究では、簡単な再評価法(状況の感じ方を変える、または状況の肯定的な側面に注意を向ける)が、COVID-19パンデミックの間にポジティブな感情を高めたことを報告しています。ストレスを感じやすいイベントについてよく考えてみることは、そこからメリットを引き出すのに役立ちます。イベントの評価を行う間に、人は自分が置かれている状況の良い面について考えることができるのです。

サンプルが1の研究: シングルケース研究から何がわかるのか?

マリー・ジョンストン、デレク・ジョンストン, アバディーン大学(スコットランド) 介入の実践家は、一人の人、1つの医療チーム、1つの病院、1つの地域が抱える問題への答えを求めていることがあります。 例えば、ある肥満男性の間食の頻度、時間や場所、ストレスの影響について知ることは治療にとって重要な情報かもしれません。あるいは、医療チームのメンバーが手指衛生を省略する頻度や、人手不足のときに手指衛生が低下するかどうか、病棟の広告で手指衛生が改善されるかに興味を持つかもしれません。または、医療ミスがある病棟やある等級のスタッフに多いかどうかを知りたいこともあるでしょう。さらに政策レベルでは、公共の場での禁煙など、新しい規制が喫煙率に影響を与えたかどうかを調べることが必要な場合もあります。