ジョブ・クラフティングで元気に仕事をしよう

ヤンネ・カルティアイネン &ヤリ・ハカネン、フィンランド産業衛生研究所(フィンランド) 私は仕事のどの部分に対してやる気や魅力を感じ、自分が幸福になるためにとても大事だと思っているのだろう? こうした部分をもっと仕事に取り入れるにはどうしたらよいのだろう? キャリアが長く専門的な知識も豊富なある看護師は、職場でストレスを感じ、少し退屈し、「マンネリ化」し始めてから、このようなことを自問自答するようになりました。その答えがきっかけとなり、彼女は後輩の指導を始め、仕事に対する能力や同僚とのつながりをより強く感じられるようになるとともに、日々のルーティンに再び意味を見出すことができるようになったのです。仕事のやり方を少し変えただけで彼女の仕事上の幸福感は向上し、しかも病院の運営と効率に支障はありませんでした。むしろ、彼女の同僚たちは、このメンターシップを通じてとてもよくサポートされていると感じ、職場全体の雰囲気も良くなりました。

休まなければダウンする: ヘルスケアにおける休憩の重要性

ジュリア・アラン、アバディーン大学(スコットランド) By Julia Allan, Aberdeen University, Scotland 現代人の生活は多忙を極めている。私たちは、「スイッチがオン」になりっ放しのデジタル世界に住んでいて、仕事から完全にオフになることはめったにありません。多くの人が長時間仕事をしており、最前線で働く医療従事者はその典型と言えます。ヘルスケアの現場では長時間労働と高デマンド(患者からの要求)が当たり前、「通常」勤務の 8 時間を超えて働くことが日常で、そして重い責任が課されています。緊急処置を必要とする患者が次々と来れば、たとえどれだけ忙しくても,何時間も働き詰めだったとしても、医療従事者には医療を提供する義務があります。このように需要がひっ迫しているため医療現場では休憩はごくあたりまえに無視されます。実に  看護師の 10 人に 1 人は十分な休憩を取らず、3 人に 1 人は勤務中に食事休憩をめったに、または全くとらないことが報告されています。 休憩を取らないでいると、トイレに行けないという実際的な不快感をはじめ、健康的な食事をとる機会がなくなる、意気消沈や不満感が高まる、ろくに休まずに長時間勤務することによる認知的変化など、さまざまな悪影響が生じます。

ストレスの新しい捉え方は不安な心をどのように落ち着かせるのか

バート・バーキル ライデン大学臨床心理学部(オランダ) PEPグループ(ノールトウェイク、オランダ)   「感染して入院することになったらどうしよう?」「数か月で請求書が支払えなくなったら?」「ロックダウンは子どもたちの健康にどう影響するのだろう?」   コロナウイルスの脅威は、私たちの生活に大きな影響を与えています。どのような対策が必要かを判断したり、いかなるリスクが潜んでいるのかを推定するために、科学者はウイルスの流行について統計モデルを用いて理解しようとしています。これは確かにパンデミックをある程度制御するのに役立ちます。興味深いことに、私たちもそれぞれが常に科学者であるかのように行動しており、しかもその行動はより自動的になされています。人間の心は「予測マシン」で、私たちが感染したり、職を失ったり、批判されたりするリスクを常に推定しているのです。しかしながら、リスクの推定方法には個人差が大きく、中には強い不安に襲われてしまう人もいます